南仏プロヴァンスのリュベロン地方では、オークル色に輝く美しい村ルシヨン (Roussillon) が有名。
でもその陰に隠れながらもほかにも素敵な村がたくさんある。
- ルシヨンについてはこちらの記事 → 自転車で行くオークル色の美しい村ルシヨン (Roussillon)
今日はある意味ルシヨンより印象的だった Saint Saturnin lès Apt (サン・サテュルナン・レザプト) という村を紹介したい。
Saint Saturnin lès Apt の Lès って何だ?
いきなりそこ? って話なんだけど、気になるでしょ?複数定冠詞ぽいものにアクサン記号ついてて見慣れないし。
lèsというのは、”près de (近くの)” の古語で今は地名にだけ見られる。
Saint Saturnin lès Apt という村名は “アプトの近くのサン・サテュルナン” という意味になる。そしてたしかにアプトという町の近くにある !!
岩山の斜面を上っていく廃墟の壁とそのふもとにオレンジ色の屋根が並ぶこの村が遠くからも見える。遠くから見て気になっていたので立ち寄ってみた。
村の駐車場に車を停めて、お茶をできそうな場所を探しながらまずは昼下がりの町の中心をざっと一周。

落ち着いた雰囲気の素敵な街並みを進んでいくと村の中心の広場に役場と教会がある。フランスの典型的な村の構造だね。

19世紀に建て替えられたというこの教会、正面にLiberté, Egalité, Fraternité (自由、平等、友愛) という文言が見られる。これは1905年の政教分離法に関連して教会の建物が国または地元の市町村の所有とされ、その翌年に国家所有物の目録が作られたあと書き込まれたもの。
まずはエネルギー補給から
廃墟のほうに上っていく前にエネルギー補給のため、お茶の時間にした。選ばれたお店はこちら↓の Le Saint Hubert。

カフェの他、ホテルやレストランとしても利用できる。
ここは昔は駅伝の駅(←馬を交換したりする場所)だったり映画館だったり、ダンスホールだったりした多様な過去があるらしい。
コーヒーとアイスをまとめて味わえるアフォガートでいいや…と思って、アフォガートを注文。
ところが、相方が食べてたスティッキーデート (Sticky Date) というお菓子を一口もらったらあまりにもおいしかったので、誘惑に完敗して追加注文。

センスのない写真だけど、これがそのスティッキーデート。キャラメルソースにクリームはさっぱり味という絶妙なバランスの味わい。
根拠はないけど、なんとなく食事もおいしそうな気がする。
店の奥の反対側にある、眺めが良さそうなテラスでランチとかしてみたい感じ。
Le Saint Hubert
1, place de la Fraternité 84490 – Saint Saturnin lès Apt
廃墟を見に行く
そしてここからはエネルギー消費の時間。村の坂道を上り、さらに砂利道を上っていく。お洒落サンダルとかだと、足も靴も傷めそうなので要注意。
目の前に現れた廃墟。中世の頃はここに村があったりした。

さらに進むと11世紀に建てられたシャペルがある。

上からの眺めが最高。


横から見ると↓こんな感じ。立派な城壁のある村だった様子がうかがえる。

写真の手前部分はダムになっている。18世紀に最初のダムが造られたけれどあふれて大変なことに。その後も何度か改造されて今に至っている。
あとは古い風車が見どころらしい。今回は時間切れのため風車は見に行かず、次の目的地へ行くため駐車場に向かった。
こんな見どころがあるわりには穴場というか、ルシヨンやコロラド・プロヴァンサルと比べると人が少なめです。
落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめたよ。
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