最近は海外の賃貸住宅情報もネットで気軽に見られるようになりました。周辺の雰囲気もある程度ストリートビューで見られるので、便利ですね。
実際には現地できちんと内見を行う場合が多いでしょうし、それをおすすめします。
これから渡仏予定で、まずはフランスでメジャーな賃貸情報サイト “Se Loger” で物件の様子や相場を見てる人も多いのでは?
ところで私は仕事柄、リヨン市内で日本人駐在員に人気の地区の賃貸情報がいくつかの不動産屋やこの Se Loger から届くようにしています。
そんな中で Se Loger から先日「かぐわしい」情報が届いたので、この機にネットで部屋探しを行う際に気をつけたいことをお話しします。
相場から見てお買い得感がありすぎる物件は怪しいよね?
先日送られてきた「かぐわしい」賃貸情報はこちら(クリックで拡大できます)。

こちらは私でなくても「???」と思うはずの、ダイレクトなうさんくささなんだけど…。
まず、不動産価格高めのリヨン6区でこの面積のおしゃれな家具付きアパートが 535 € とは、相場的に少しおかしい。
日本の「事故物件」じゃないんだからさぁ…。
ほかにもいろいろ突っ込みたい点はあるんだけど…。
画像検索してみよう
そこで、試しにこのおしゃれなリビングの写真を画像検索…。

ほら、出てきた。リヨン6区ではなく、スペインにある短期滞在用のアパートの写真が…。
なんで、リヨンから遠い町の不動産屋がリヨンの物件としてスペインのアパートの写真を??
偽住宅情報の手口の例
最近このようにネット上の写真を流用した胡散臭い賃貸情報が増えている模様。ネットで部屋を探すときは要注意です。
特に不動産屋が仲介しない物件とか。
対策として画像検索で全く別の所に同じ写真が無いか調べるのはぜひおすすめです。
ちなみに、実在する部屋をごていねいに別の媒体で短期間借りてる場合もあるそう。鍵を入手しておき、家主になりすましカモに「内見」もさせるという。
で、応募書類と初回家賃や敷金を受け取ったら姿を消すという手口ね。
お金と個人情報と…
詐欺に支払ってしまう「家賃」だけでなく、個人情報にも注意したいところです。
フランスで部屋を借りると、借りる本人と必要に応じて保証人のあらゆる個人情報を提出させられます。
IDのコピー、住居証明、雇用契約書、給与明細3か月分、所得税の納税証明、銀行の口座情報…。保証人がいる場合は保証人の同じ書類もね。
これらは本来は内見して応募したい物件にのみ提出するものです。
だから内見前に書類を求める家主や不動産屋は極力避けるのが基本でした。
が、コロナ以降、内見者を絞るため先に書類審査をする大手不動産屋も増えました。悩ましいところです。
不動産屋経由で個人情報を悪用された例
もうだいぶ前に完結した話になるので、この話を解禁しましょうかね?
我が家では旦那が身内の賃貸アパートの保証人になったときに使った書類がおそらくどこかの不動産屋から流出し(時期的にぴったり合うし、ほかでその手の書類は使っていないので…)、誰かになりすましで借金契約をされたことがあります。
借金返済の口座振替まで勝手に始まったから、その振替を銀行に停めてもらったばかりにフランス銀行との間で問題が発生。
そう、その口座振替を停めてもらった結果当然ながら2か月連続で振替不能となったため、ブラックリストに載ってしまったのですよ…。すごいとばっちり。
被害者多数の大きな事件なこともあり警察のおかげでブラックリストからは削除してもらえましたが、解決するまで気が気でなかったわ。
うちの銀行も、その辺のシステムはよく知っているはずなんだから、振替停止をお願いしたときに一言教えておいてくれてればよかったのに。
そして、不動産屋にももう少しきちんと情報管理してもらいたいものです。
民間の一企業の立場でこちらの生活事情が丸分かりのあらゆる個人情報を提出させるんだからさ。