Météo_Lyon_40°C

「夏休みにサヴォワの家に行くために南から高速道路を北上してくると、リヨンを通るときだけ暑さが異常でさ…」

これは中高生時代をマルセイユで過ごした、我が家のリヨン出身者の証言。マルセイユに引越したからこそリヨンの暑さに気付いたようだね。

ここ数年、毎年のように酷暑で苦労してるものの、今ほどではないとはいえ昔からリヨンは暑めの町だったらしい。

私も子供の頃の夏休みに祖父母の住む関西の某所に着くと毎回すごく暑かったなぁ…。 当時の景色は覚えてないけど、暑かった感じは覚えてる。あれと似た感じなのかな?

そして日本もフランスも昔より暑くなりましたね。10代の頃、東京で36度を超えた日は大騒ぎだったけれど今や珍しいことでもないし。日本の夏は湿気もあるから大変よね。

夏が好きだったのに、いつの頃からか夏は恐怖の季節に…。

そこで、今日はリヨンの夏の暑さと、暑さをどうしのいでいるのかについて熱く語ってみよう。

リヨンはどうしてそんなに暑いの?

1.南風の通路

まずは、フランスの地図を見てみよう。

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Lyon 45.721522, 4.844971

地中海に流れ込む大きな川がある。これがローヌ川。これを北上するとたどり着く町がリヨンです。

このローヌ川の流域、川に沿ってワインの産地が南北に続いている。ワインが好きな人はご存知かも?ヴァレ・デュ・ローヌの名前の通り谷間なんだけど、こうして見ると想像以上にがっつり谷間なのね。

そう、南から来る熱い風はこの通路を通り抜けてリヨンにたどり着くのですよ…。

2. 山に囲まれてる

で、リヨンの周辺を見ると、アルプスやらオーヴェルニュやらジュラ山脈やら、やたらと山に囲まれている。

風はいつも南から来るとは限らないけど、山に囲まれたリヨンでは南以外のところから来る風もフェーン現象で温風化。

アウトドア派にはたまらないこの地形がリヨンが暑い原因なのですよ…。

3. コンクリート石焼きビビンバ

リヨンは一応都市なので、あちこち石やらコンクリート。一度熱くなるといつまでもあつあつの石焼ビビンバ状態。

その証拠に、暑かった日の深夜近くに通りを歩くと地面や建物外壁が熱を発してる。そりゃ夜も暑いわけだ。

エアコンが無い家の暑さのしのぎ方

そういえば2003年の7月、猛暑のフランスで病院でエアコンが無くて死者が出たって日本でも報道されていたのを覚えている人も多いのでは?

あれから20年、公共の場所ではだいぶエアコンが普及したと言える。

個人の住居でもエアコンが増えて来てる印象。それでも日本ほどは普及していない。湿気が少ない分、日本ほどは必須でもないともいえるんだけど。

設置したくても色々ややこしいのよね。建物の構造的な問題とか景観とか…。窓から管を出して使う中途半端な冷房器具もわりと多い。

我が家も毎年エアコン設置計画の話は出るけど進展の気配はなく、今年も扇風機生活。かわいそうでしょう笑?ただ、みんながエアコンを使い始めたらますます町が暑くなるのでは?とも思うのでなかなか難しいところだね。

そんなエアコンの無い気の毒なフランスのアパルトマンでは猛暑をどうやってしのいでいるのだろう?

1. 家をあたためない

まずは、早朝の涼しいうちに家じゅうの窓を開けて風を通し、冷たい空気をできる限り取り入れる。さすがに早朝は涼しい。

気温が上がり始める前にバルコニーの日よけまたはパラソルを開き(バルコニーの温度を上げないため)雨戸を閉め(真っ暗になるとやはり不便なので、光が入る程度にわずかにあけておく)、日中は薄暗闇の中で過ごす。

部屋の中が暑くなってから窓を閉めても熱がこもるだけであまり効果が無いので、暑くなりそうな日は朝から気合いを入れて要注意。

コンクリート石焼ビビンバが家の中にまで及ばないよう、いかに家の中に熱を入れないかがポイントです。暗闇生活、何日も続くと気分が滅入る。せっかく外は明るいのに闇の中で何やってるんだか…。

それから、屋根裏など最上階の部屋では屋根からの灼熱があるからこの方法でもきついかも。

2. 自らを冷やす

冷たい麦茶 Thé d'Orge

あとは水を飲んだり浴びたり、冷たいものを食べたり、バスルームの壁のタイルにはりついてみたり?

もうさ、フランスも夏はシエスタの習慣とか導入して朝と夕方に働くほうが快適なんじゃないの?

3. 涼しい場所に避難する

涼しい場所まで行くのが大変なんだけどね…。ショッピングセンターとか、カフェとか、スーパーの乳製品売り場とか、トンネルの中とか?夏だけオフィスのエアコンを求めて、リモートワーク率が下がる?

我が家ではお手上げ状態になると、安眠を求めてサヴォワに避難。サヴォワも暑いときは暑いんだけど、夜は涼しくて安眠は確保できる。

深夜になっても熱を発してるバルコニーの床とは違って、草地は夜はひんやりするからね。

サヴォワから夜出発してリヨンに帰ってくるとき、車の温度計の温度がだんだん上がっていくのを見ると絶望的な気分になる。深夜に近づくにつれて気温は下がるはずなのに何で…??

そんなわけで、エアコンが無いみなさん、お互いがんばりましょう。

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