Troisgros

コロナ騒ぎが始まる直前の話になるけど、日本でも有名な「Troisgros(トロワグロ)」に行った話をします。

相方との記念日を祝う目的だったので、数か月前からリヨンから行きやすい「3つ星レストラン」をリサーチした結果、相方のグルメな知人(何やらグルメサークルのような組織に属してあちこちの星付きレストランをめぐっているらしい)が大絶賛していたというトロワグロに決定。

トロワグロといえば…

さて、トロワグロと言えば、カフェやショップを日本でも出店していますね(レストランは閉店してしまったけど)。

小学校の高学年だったか中学生になった頃だったか、自宅に来客があったときに親が小田急デパートのトロワグロのショップでパテだかテリーヌだかのお惣菜などを色々調達してきた。そのおこぼれを試食して、普段食べ慣れないそのお味にすごく感動した覚えが。「なんだ?この上品なお味の食品は?」

そのとき父親からフランスに「トロワグロ」っていう3つ星レストランがあるんだと教えてもらった。へぇ、フランス人ていつもこんなおいしいもん食べてるんだぁ…(←若干勘違い入ってる)

予約の日がやってきた

もじゃもじゃうさぎ : 前にうちにあったあの*汚い車じゃなくてよかったねー。 (*我が家では一時期、完全なペーパードライバーの私の運転練習用に初度登録20世紀のおそろしくぼろい車に乗っていた。私の運転練習とアパート工事資材や廃棄物の運搬に大いに貢献したあと廃車になった)

相方 : は?ああいう車から、くまもんのTシャツとかで登場して、車係に”ぶつけないように気をつけてね” と言いながらキーを渡して車を預けたうえで派手に豪遊するのがいいんじゃん。 (相方の言う「くまもんTシャツ」を見たい人はこちらの記事の中の写真→ René Nardone ~ リヨン1のアイスの名店は本当においしいの?

…などとIT長者の粋(なのか?)を語りあいながらお店までドライブです(うちはIT「長者」ではないよ)。

トロワグロに到着

トロワグロは田園の中にあり、車でないと行けないけれど車で行くとワインを楽しめないので宿泊まで予約してあった。

施設全体を訪問後、部屋に案内され、夕方階下に下りていく。あ、そういえば部屋にもトロワグロブランドのジュースやブリオッシュが準備されていた。

まずは、レストランに付随のバーに案内されソファーに腰掛けてアペリティフの時間。ここで食事のメニューを渡され、ドリンク片手にゆっくりとメニューを眺める。

Troisgros

メニューも決まりしばらくすると「準備が整いましたので、テーブルへどうぞ」とレストランの席に案内されるが、その前に舞台裏に案内してもらえる。ワインカーヴでボルドーやブルゴーニュなどの名高い一流シャトーのボトルなど眺めたあと、パンとチーズコーナー、そして厨房。

レストランの厨房に入れるって、初体験だわ。

広々とした厨房は、食事の準備の真っ最中のはずなのに驚くほど整然として清潔感を放っている。

厨房内は魚チーム、肉チームなどにわかれていて、最後に検品係による厳正なチェックを経てテーブルに料理が届くらしい。

こうしてテーブルに案内され、お食事開始。数々のお料理とワインを目と鼻と舌で楽しみ、デザートまで済むと最後にまた先ほどのバーのソファで食後のコーヒーやお茶などでのんびりとくつろいで眠くなってきたところでコース終了。

今回は敢えてディナーの写真は載せないけど、おしゃれなデザートのような風貌の「魚料理」とか、見た目も味も美しいまさに芸術作品のオンパレードだったよ。

3つ星レストランは本当に「そのために旅行する価値のある」店なのか?

ミシュランの3つ星の定義は、”Une cuisine unique. Vaut le voyage !” 日本語だと一般的に「そのために旅行する価値のある料理」と訳されている。実際のところどうなのか検証してみよう。

芸術的なお料理ももちろん見事だったけど、個人的にそれ以上に印象的だったのがサービス。2つ星レストランのサービスの質もレベルが高いと思うけど、今回はちょっと感動の域だったわ。

絶妙なタイミングでさりげなく現れるサービス係

お客との基本的な距離感がちょうど良い。こういう店だから放置されている感じは当然無いんだけど、かといってそばでかしづかれている感じでもないので過ごしやすい。

見張られている感じは全然ないのに、絶妙なタイミングでスムーズにお料理が運ばれてきたり、お水やパンの追加に来たりする。

ひょっとしてテーブル上方にカメラでもついてて、裏で誰かがモニターを見ながら「12番テーブル、そろそろパン勧めて!!」とか「5番テーブルの男性、何か用事ありそう」とかホールスタッフのイヤホンに指示を出してるのか?ってくらい、スタッフ間の連絡が行き届いている。

それぞれのお客の満足度マックスのために、みんなで臨機応変

たとえば、私たちはコースに各料理に合わせたワインテイスティング(Accord mets et vins)を付けるかどうかで迷っていた。

相方はもちろん興味津々だけど、さすがにこれ全部はやや多めな気がする。一方私は、明らかにこのワイン全部は致死量(←比喩ではなく…)だから、ワインを無駄にしたくない。でも、せっかくだから一流シェフのお料理と一流ソムリエが選ぶワインのマリアージュを、グラス1杯分くらいは味わいたい。どうしたものかと思っておすすめを相談したところ、(私の経験上では)前代未聞の提案をしてもらえた。

「ワインテイスティングを1人分だけつけて、どのワインも2人で8:2 とか9:1くらいに分けてお注ぎしましょうか?」

え?そこまでしてくれるの?でも、確かにこれで2人ともそれぞれにとっての適量でワインテイスティングができるね。

また、デザート2品にワインが1種類だったところ、相方が1つ目のデザートでうっかりグラスを空けてしまった。2つ目のデザートを運んできたスタッフに「もしかしてさっきのワインて次のデザートともセットでした?」と確認しただけだったんだけど、ほどなくしてソムリエがさりげなく通りかかり、ごく自然な様子で同じワインを少しだけ注いで去っていった。まるで、もともとそういうサービスが予定されていたかのように…。あら、素敵♡

これは一例だけど、きめ細やかな気配りがさりげなくあちこちにちりばめられていて、到着から翌日の出発までのすべてのサービスがが完璧だった。

何よりも、レストランもホテルも、それぞれのお客が到着から出発までそれぞれにとっての(だから皆に「同じ」サービスをすればよいわけではない)最高の時間を過ごせるようにスタッフが一丸となって対応しているという印象があった。

子供時代と大人になってから、日本とフランスで2回もトロワグロに感動させられるとは…。

フランスで普段暮らしてるとひどいサービスにイライラすることも多いのになぜか世界中が想像する「おフランス」のキラキラしたイメージって、一部のこういうお店やホテルが牽引しているんだから、大したものだと思う。

他の3つ星レストランは行ったことが無いけれど、少なくともトロワグロは、そこで過ごす時間自体が「旅」に匹敵する刺激的な体験だった。

下手なサービス研修より、実際にお客として見事なサービスを受けるほうが勉強になるんじゃないの?…とちょっと思ったりした。あ、でも研修費用かかりすぎ?

おまけ:トロワグロの朝ごはん

Troisgros

トロワグロに宿泊したら、やはり朝ごはんまでぜひ楽しみたい。ごく普通のレストランのブランチの相場から考えれば、控えめなお値段でかなり満足度の高い朝食を楽しめるよ。

最後に、田園の真ん中にあるトロワグロだからなのか、最近の傾向(「IT長者の粋」の影響?)なのかよくわからないけれど、お客さんの服装がみんな思ったよりカジュアルな印象だった(サイトを見ると、ドレスコードは男性は長ズボンでよろしく…とだけ書いてある)。

そういえばどこかのセレブ一家(?)が一族総出で誕生日パーティーを開いていた。トロワグロであの人数で宿泊付きパーティーって、すごい…。富豪の節目の年の誕生日かなぁ?いったいどこの誰だったんだろう?

Troisgros

728 Route de Villerest 42155 Ouches