サヴォワで某ワインカーヴに立ち寄った際に、7月半ばに今年初開催という新しいイベントの情報をもらった。その名も Festival du Cru Jongieux。

あ、そういえばインスタでもこのイベントの広告が出てきて気になってたんだよな…。

会場となるのは、サヴォワの家の近くにあるジョンジュー (Jongieux) という村。村やその周辺のぶどう畑を散策しながら、村の2つ星レストランや地元のおいしいチーズやデザートとのマリアージュで周辺の様々な生産者のワインを気軽に楽しめるという斬新なイベントだったからだ。

それぞれのテイスティングポイントでは地元のバンドがジャズを奏でるそう。

地元のワインを一挙にテイスティングできる上に、2つ星レストランのシェフが料理担当というだけで興味津々。チーズもデザートも提供者はその品質を私たちもよく知っている豪華メンバーなので、参加費は一人60€と若干高めだけどこれは期待できそう。

これが今回のワイン祭りだ

集合場所は、村役場やイベントスペースがある場所。予約の時間枠がいくつかある。

Eチケットを受付で提示して、テイスティング用のグラスをもらう。首から下げられるホルダーに入っていて、一緒にスタンプカードがぶら下がってる。これでスタンプラリーをし、すべてのポイントをめぐるとコース料理になる仕組み。

まずはお通しです。

Festival du Cru Jongieux

湯剥き(?)トマトも一流シェフの手にかかると芸術的ね…。暑い日だったので、涼し気な見た目に癒される。中にクリームが入っていて、お味も芸術的。ワインは白とロゼがあったかな?すぐそばにぶどう畑を眺めながら、清涼感いっぱいにコースが始まります。

Jongieux

いきなり素敵なお料理とワインを賞味してご機嫌になりながら、次の「前菜」ポイントまで村を歩きます。

予約の時間枠があると言っても、別にグループごとに時間を決めて移動するわけではない。

各自食べ終わってワインも満足に楽しめたら次のポイントに向かって散歩するだけ。自分のペースで道しるべに沿って進んでいけば大丈夫。

Jongieux_Chateau de la Mar
前菜はこのお城のお庭、そのあとメイン料理はぶどう畑の上に見える建物まで歩いていくよ~。

こうして次に到着するのは、Château de la Mar というお城。よくこの前を自転車で通るけど敷地に入ったのは初めて。

このお城の庭で味わった前菜は、サヴォワ産のマス&ペストソースに、ぶどうの葉の天ぷら。うん、Tempuraって言ってたよ。ぶどうの葉の天ぷら、おいしかったー。

ここでも何種類かの白ワインをテイスティングできました。

このあとは、ぶどう畑散策。かなりの傾斜に沿ってぶどう畑が広がっているのを上っていく。このぶどう畑、諸々の作業は足で移動&手作業でものすごい手間がかかってそう…。

ぶどう畑のごつごつした砂利道を上がっていくと、2つ星レストラン Les Morainières にたどり着く。

Festival du Cru Jongieux

メイン料理は、美しいブドウ畑眺望を見下ろすこのレストランのテラスで。ちょうど夕日が美しい頃合いで、子牛のお肉とジロル茸を使ったお料理に合わせて赤ワインが何種類か用意されてた。

Jongieux
2つ星レストラン Les Morainièresからのぶどう畑眺望

夕焼けを背景にぶどう畑眺望を眺めながら、また村の中心に向かって歩き始めます。途中にチーズコーナー。ここでいくつかの赤ワインに合わせて試食できるのは、以前このサイトでも紹介したイエンヌ (Yenne) の酪農組合からやってきたチーズ2種。気前よく大きく切ってあったよ。

ここまで来る頃には日が暮れて暗くなっているので、田舎道では懐中電灯などが必要です。

こうしてまた村の集会所の庭に到着するとデザートの時間。ここでは同じくイエンヌにある、評判のアイスクリーム屋さん Glacier de l’Avalanche 提供のアイスクリームケーキをスパークリングワインで楽しみます。

Pêche de vigne(「ぶどう畑の桃」という名前の、桃の一種)とヴェルヴェーヌ(バーベナ)のアイスを使ったさっぱりしたデザートでした。

この頃になるとイベントスペースの庭はバンドの演奏あり、踊る人ありで、最後はすっかり村祭りの盛り上がり。

地域の魅力凝縮祭り

景色、ワイン、地元のおいしいもの…と、この一帯の魅力がぎゅっと凝縮されていただけでなく、ボランティアのスタッフまで含め関係者の気合いが感じられるオーガナイズで楽しいひと時を過ごせました。

「2つ星レストラン」というのはやっぱり集客力があるから、そういうシェフが、こうして2日あわせて1000人分以上もあるのにハイクオリティなお料理で地元のワインイベントを盛り上げてくれている点も好感度アップだね。

次のテイスティングポイントまでしばらく歩く(そして途中に給水ポイントも数か所用意されてる)から、毎回アルコールをきちんと消化できるというのも、下戸にとってはありがたい。あと参加者の大部分を占める、車で来てる人たちにも…?個人的には座りっぱなしのレストランより快適といっても過言ではなく、こんなにお料理とワインをさわやかに満喫できたのは初めてなくらいかも。

来年もやってほしいな。

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