フランス本土の形は六角形。フランス語の「六角形 (Héxagone)」という語は、そのまま「フランス本土」の意味でも使われる。
いちばん距離が長い部分が東西、南北ともそれぞれ1000kmくらいでバランスの良い形をしている。で、横幅が一番広い部分の真ん中あたりに首都パリがあるので、そつがない作りの国土だなと思う。
そして、その大して離れていない距離の中で、6つの角にある地方ごとにそれぞれ雰囲気が異なるという面白さがある。
アメリカくらい広ければ、そりゃフロリダとオレゴンとで雰囲気も違うだろうなと容易に想像できるけど、フランスはかなり至近距離なのにバラエティ豊かな景色が楽しめる。気候が様々なだけでなく、国境が複数の国と接してるからね…。
というわけで、今日はフランスの地方ごとの家屋のスタイルに注目してみましょう。都市ではなく村で比べてみるよ。
まだ足を踏み入れていない地方(ピレネーとか)、行ったけど昔すぎて写真をすぐに出せない地方(ノルマンディとか)もあるので、全地方は紹介できないのが残念だけど際立った特徴があるところを中心に。
まずは標準型…と思ったんだけど、逆にどういうのが「標準型」なんだろう?パリはパリで異質だからな…。イメージ的にはロワール地方とか、ブルゴーニュ地方辺りかな?
そうそう、屋根の色は赤組と黒組があります。大まかには北のほうが黒組、南のほうが赤組という印象。パリは黒組、リヨンは赤組です。全体でどういう分布になってるのか気になるわね。
それでは各地方、回ってみましょう。北西から右回りです。
ブルターニュ(Bretagne)
フランス北西部で異色の文化をもつブルターニュ。グレイッシュトーンとか寒色系の美しさがある。ブルターニュはグロワ島くらいしかよく知らないから、いつかゆっくり訪れてみたいな…。魚介と塩バター系のお菓子がおいしいし。
ブルターニュのグロワ島についてはこちら→ Ile de Groix (グロワ島)~ブルターニュの島で過ごす週末
アルザス(Alsace)
反対側の北東部に行けば、アルザス。ドイツになったりフランスになったりしてきた地方。ハーフティンバーのカラフルな家が童話の世界みたいで素敵なのよね。そして「窓辺にお花」率が高い気がする。
サヴォワ(Savoie)
フランス東部をアルプスまで南下すると、いかにも「山小屋」という感じの家屋が見られる。地味と言えば地味だけど山景色が主役な地方だから、景色になじむ?
プロヴァンス(Provence)
もう少し南下して南仏のプロヴァンス地方。プロヴァンス地方もけっこう山が多くて、その山はアルプスの続きなんだけど気候が違うから植生も雰囲気も違う。明るい暖色系の美しさ。雨が少ないので屋根の傾斜が少ない。
地中海沿い
南仏も地中海沿いまで行くと内陸とはちょっと雰囲気が違う。マルセイユより東側の海沿い(コートダジュール)では、外壁の色などにイタリアっぽさが感じられる。
同じ地中海沿いでもマルセイユの反対側、西側のカマルグから先もまた少し違った雰囲気がある。植物の葉の色も乾いた黄色で、白や淡い色のつるっとした外壁の家が多い。若干スペイン風なのかな?
そんなに広い国でもないのに、これだけスタイルが異なる家が建ってるっておもしろいよね。これに加えて、同じ地方内でも近くでとれる石の種類によって、黄色い村とかオークル色の村とか色々あるから、どの地方に行ってもそれなりに気分が変わる。
そのほかに世界の海のあちこちにある海外県、海外領土にも異なるスタイルの建物が見られるよ。
関係ないけど、フランスは世界中の海に要領良く領土を持っているところが、またそつがない国だなと思う。