サヴォワのブールジェ湖 (Lac du Bourget) の西側の湖畔にブルドー (Bourdeau) という小さな村がある。これと言って派手な村ではないが、湖眺望が美しく、近くにはこの眺望を楽しみながら食事ができるラマルティーヌ (Lamartine) という星付きレストランがあったりして、のんびりと湖畔散策を楽しむのにちょうどよい。

どうしてこのへんにラマルティーヌという名前のレストランがあるのかというと、この辺りは、ロマン主義の詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌ (Alphonse de Lamartine: 1790-1869) のゆかりの地だからである(詩人ではなく政治面で知ってる人もいるかも?)。

ラマルティーヌはブールジェ湖に一体どんな思い出が?

ラマルティーヌは生涯に何度かこのブルドーの対岸の保養地エクス・レ・バン (Aix les Bains) に滞在しているが、1816年、26歳の最初の療養滞在中、嵐のブールジェ湖で溺れそうになっていた女性を助け、その女性と熱愛関係になった。

そのジュリー・シャルルというアラサー女性は既婚者だったため、熱愛と言ってもいわゆる不倫の間柄だったわけだが、2人は小舟で湖に乗り出して、対岸のブルドーの湖畔でロマンチックなひとときを謳歌した。

滞在の終わりに2人は次の夏にまたここで会うことを約束して別れた。

翌年の夏にラマルティーヌは約束通り再びエクス・レ・バンへやって来たが、肺結核を患っていたジュリーは病が悪化していたため来れず、そのまま再会することなく他界してしまう。

こうして、傷心のラマルティーヌがジュリーを思いながら綴った詩が「湖 (Le Lac)」である。

この「湖」を収めた「瞑想詩集 (Méditations poétiques)」という詩集が1820年に出版され、ロマン主義の代表的な詩集となる。

・・・「不倫は文化」じゃないけど、芸術となった不倫の一例ですね。

って、仏文出身のくせにこの程度のコメントしかできない自分が情けない…。興味がある人は、もっとまじめにこの詩を翻訳とか分析とかしているサイトもどこかにあるはずなので見てみてね。

ラマルティーヌのブルドーの思い出の不倫デートスポット

話をブルドーに戻します。村を北の方に進んで行くと、11世紀に建てられたという古城がある。現在は宿泊施設、レストラン等になっているので利用者は中に入れる。眺めが良さそう。

城の先をさらに進むと湖に向かって下るカーブした小さな坂道があり、下ったところに小さな港が現れる。静かでロマンチックな場所だな…と思ったら、やはりラマルティーヌがデートを楽しんだというロマンチックな港だった。

今下りて来た坂道を再び上る途中に「ラマルティーヌの洞窟」と呼ばれる、ラマルティーヌの思い出のデート場所にアクセスできる道があるので、その小道を進んでみる。小道はやはり湖まで下りれるようになっている。

そして脇ににあるのがこの洞窟。

「湖」の詩の中にも出てくる「洞窟」ね。同じく詩に出てくる「岩」ってのはこの辺の岩かな… なんて勝手に妄想してみる。

こうしてさっき下りて来た小道をまた上る。

ところで、この道、かなりの獣道で途中けっこう険しかったりする。「えっ?こんな所を丈の長いスカートのご婦人と2人で歩いたの? これはロマンチックなの?」とつっこみたくなったんだけど、よく考えたら、彼らは湖から小舟でアクセスしてたんだった。寒い中を途中までチャリで来て、交代でチャリを見張りながらスニーカーで一人ずつ見に行く自分たちと一緒にするなって感じですね。

ブルドーからこの洞窟を見に行く場合は、距離は短いけど細い獣道なので、ちゃんと歩ける靴必須ね。

ブールジェ湖を訪れる機会があったら、立ち寄ってみたい場所の1つです。

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Bourdeau(ブルドー) 45.683700, 5.855700 Bourdeau(ブルドー)