1か月前・・・

 

 Facebookにもこの写真を唐突に掲載しましたが、引越しをしました。 引越す前のアパートは、Canut (カニュ) と呼ばれるとてもリヨン的な建物でした。
リヨン市内の1区や4区のCroix Rousse(クロワルース)の丘周辺に多く見られる、なかなか趣のある建築様式です。

Canutってなんだ?

趣があると言っても、平たく言えば「昔の労働者住宅」なんですけどね。

Jacquard

リヨンではルネッサンスの頃より絹織物産業が盛んでしたが、19世紀初頭にジャカードさん(右の写真の人。なんか頭に鳥がとまってるけど)がジャカード織機を発明して実用化されると、この背が高い織機が入るアトリエが必要になってきます。こうして当時は果樹園なんかがあったCroix Rousseの丘に、ジャカード織機に適した天井の高い黄色やピンクの建物が次々と建てられるようになりました。

この絹織物職人のアトリエ Canut (カニュ) は天井が3.5~4m近くあり、天井には織機を固定できるよう木の梁が入っています。

この天井、「フランス式天井(Plafond à la française)」というらしいです。現代では梁を石膏ボードで覆ってしまっている所も多いのですが・・・。
当時は明るい窓側に織機を設置し、部屋の奥のほうは天井の高さを生かしてロフトにし、下をキッチン・ダイニング、上を寝室として使用していたとのことで、実際ロフトになっている物件も多いです。

Croix Rousseでは1960年代まで織機の音が聞こえていたようですが、織物職人が去った後は特に丘のふもとは柄悪い地区になり下がり、少し前からアート関係者などが集まるおしゃれ地区になったようです。

リヨンに移住早々Canutに心惹かれて、前のアパートに入居するときも今回の引越しに際してもCanut物件をいろいろ見た結果、そして住んでみた結果わかったCanutの良いところと悪いところを大公開します。

良いところ

Canut

1.なんといっても築200年近く。アパートとしての味があ、リヨン気分(?)が高まる。左の写真のような天井に梁 + 一部の壁が石壁 なんていうアパートもいまだに現役です(もじゃもじゃうさぎの家の写真ではないです)。石壁部分が大きすぎると一気に地下の物置きっぽい雰囲気になるけどね。

2.天井が高いので部屋が広く見え、開放感がある。

3.分厚い石造りなので、夏の暑い日でもトンネルの中のように涼しい(暑くなりそうな日は窓を開けてはいけません。熱を入れてしまうと冷ますのが大変です。石焼ビビンバと一緒です)。

4.近隣は個性的なお店や飲食店、ギャラリー、小さなシアターなどが多い地区で、散歩や夜遊びが捗る。

悪いところ

1.トンネルの中にいるようなものなので中庭側だと必要以上に音が響いて、特に窓を開ける夏は建物内の音がうるさい(天井越し、壁越しの音は全く聞こえないんだけど窓越しに音が入る。お互いに窓を閉めていれば静か)上に、特に丘のふもとはアート系の学生が多い地区なので、週末夜のパーティー音は要覚悟です。静かな環境が好きな人は、不動産屋に「中庭側だから静か」とか言われても、あまりあてにしないように(笑)。彼らが仕事でここに出入りする平日昼間はそりゃ静かだよ・・・ということで。

2. 建物が古いためエレベーターが無い場合が多い上、建物共有部分が薄暗かったり汚かったりしてやや不気味なところが多いので、内覧で部屋に着くまでにテンションが下がることもしばしば。総合的に見てそそられる物件に出会う率は低め。

3.電球を替えたり、窓を拭いたりするのがけっこう大変。

4.ロフトがある場合、高さが中途半端で使いにくそうなことも多々あり。背が高い人にはロフト付きのCanutは不向き。

5. 建物にもよるかもしれませんが、携帯の電波があまり入らない(?)。もじゃもじゃうさぎの住んでいた建物ではみんなが窓のそばで電話をするので、夏はみんなの電話が聞き放題。というか、うるさい。

まとめ

独身またはカップルやお友達とのシェアなどで期間限定で住むには、アパートの雰囲気、近所の雰囲気ともリヨン生活をめいっぱい謳歌できると思います。
音に関しては、人によって好みに差があるので何とも言えませんが、丘のふもとはだいたいどの建物も似たようなありさまのようです。丘の上のほうまで行くと住民の層も落ち着き若干静かになりますが、交通の便はやや微妙かも。

こうして「長くても2~3年くらい」というつもりだった前回はともかく、今回は長く住む予定で本気で部屋を探していたので最終的にCanutを諦めて、川の対岸へ去ったのでした。

 

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here