フランスの都市部を訪れると路上に前後わずかな隙間でびっしりと並んだ縦列駐車に目が行く人も多いはず。もちろん一時的に停めている人もいますが、近隣の居住者の駐車場でもあるのです。
住んでいるアパートに駐車場がない場合、近所のどこかに駐車場を借りるか、市の居住者用の路上駐車カードを入手することになります。アパートにガレージがあっても、大きい車を手に入れてしまったために入らないという事態もたまにあります。
セキュリティなどを考えるとどこかに専用ガレージを借りれると良いんですけどね。
というわけで、今日はそんな居住者用の路駐システムについてみてみましょう。リヨンでの例です。
居住者駐車カードを申し込む
新規申し込みは近所の区役所で手続きします(更新はネットでも可能)。
必要書類は下記の通り。
- 住居証明 (光熱費の請求書や住宅保険の加入証明など)
- 直近の住民税のAvis d’imposition (納税証明)。ただし、入居直後などでその住所の住民税をまだ納めたことがない場合は、住宅の売買契約書や賃貸契約書
- 駐車する車両のカルト・グリーズ (Certificat d’immatriculation)
- 更新の場合は、前の駐車カードの番号
- Crit’Air* の証明書(該当車両の登録番号入りステッカーの画像、ステッカーを購入した際に発行される領収書兼仮のステッカー)←2021年より追加
*排ガス関連で車両のクラス分けを表示したステッカー。一定以上のクラスのステッカーをフロントガラスに貼った車しか運行できない日がある。
その場でデータを登録してもらえ、確認メールが送付されます。そのメールに登録料支払い画面がリンクされているので、カードで支払えば居住者カードの手続きは完了です。
以前は「カード(というか紙切れ)」があって、フロントガラスの片隅に貼っていたのですが、2018年から廃止されました。警察が巡回するときにナンバープレートをスキャンしたら内容を確認できるようになっているらしい。
また、この年間のカードは以前は無料だったのですが、2018年からはこのカード申し込みの時点で、1台目は年40€、2台目は年60€(なので2台あると100€)かかるようになりました。なお、車両の買い替えのタイミングで一時的に数日間2台になってしまうような場合でも2台目という扱いになります。
月々の駐車料金を支払う
居住者駐車カードのほかに、月々の駐車券(月20€、8月は無料)を購入します。路上の券売機で購入しますが、PayByPhone のアプリまたはサイト (paybyphone.fr) でも購入できます。アプリがあると、どこからでも支払えるので便利ですね。
駐車する
あとは、居住地区内のPayantと書いてある路上の駐車スペースまたは駐車場に駐車すれば大丈夫です。ただし、「居住地区」は正確に区ごとに分かれているわけではありません。また、居住者駐車カードで駐車できない道路もあります(おもに大通り)。区役所で教えてもらえます。リヨン市のサイトから地図をダウンロードもできます。
…これで無事路駐完了。といきたいところなのですが、この路上駐車、じつはちょっと気が抜けません。
- 詳しくはこの記事で→ 路上駐車の落とし穴