2014年11月25日、在仏 10 年を迎えました。いろいろと良いことあり、いやなことありの10年でしたが、この10年を振り返る企画をこれからいくつか掲載します(予定)。
第1回は「10年住んでもフランスで気に入らないこと10選」。順不同です、というか思いついた順です。
1. 長い待ち時間
フランスはすべてにおいて待ち時間が長いです。少なくともそう思っておいたほうが無難です。たまに早いと本当に感動します。レストランの待ち時間から、お客様センターの電話で変なBGMにのって流れるどうでもいい情報を聞きながら待つ保留時間、役所での手続きに至るまでです。役所に至っては普通に6時間待ちとかあるし。医療機関の予約も、「緊急」と言ってるのに平気で2週間後の日付を提示して来たりね。
2. 折り返しの電話が来ない率の高さ
来ないんですよね…電話。日本人的に「お時間があるときにでもご連絡ください」とか控えめに言った日には、一生「お時間はない」と思って差し支えないレベル。たいして急いでなくても「急ぎです」というくらいの勢いが重要です。逆に仕事でフランス人のお客に「折り返しの電話を当日中にした」だけで評価急上昇なんてことが何回もありました。
3. たらいまわし
フランスでは自分の担当外の仕事はしないのが通常なので、「これは私の担当ではないので●●に電話してください」といって連絡先をくれたりします。伝言なり電話を転送なりしてくれればいいのに。たらいまわしのたびに同じ説明を初めからしなくてはいけない。おかげでだんだん上手に説明できるようになっちゃうんだけどね。さんざんあちこちに電話した挙句、結局最初の人が担当するべき案件だったりする。でも、その担当部署の人に「なんで今頃連絡してくるんですか?」とか言われたりするんですよ。もれなく上記1や2とセットなのですごくいらいらします。
4. ストライキ
SNCF(フランス国鉄) とRATP(パリのメトロ・バス)はストライキの世界チャンピオンだと思います。SNCFの労組、強すぎ。でも6月のバカロレア(大学入学資格試験)の時期とか、若者の人生に関わる時期にやるのは嫌がらせが過ぎると思う。日本でたとえるなら、センター試験の日とか2月に長期にわたってJRがストライキ、とかそういうイメージです。
5. メトロで切符を買わずに他人に便乗して改札を通ろうとする人
これ本当にむかつきます。中には便乗した上に財布とかすっていく人なんかもいるらしいので要注意ですよ! 便乗を拒否されると思っていなかったのか拒否すると反応がおもしろいんだけど、相手が怖い人だったら危険なので、自己責任でほどほどにね。
6. お店の出入り口にある防犯装置の誤作動
ソルドのときとか強化してあるせいか店に「入る」ときにアラームが鳴ったりして面倒くさい。あと、 19.99ユーロの物を20ユーロ札で買って「1サンチームの小銭が無いからおつりが出せない」とか言われたから「しょうがないんでいいです」と言って出口に向かった矢先にアラームが鳴ったことがあった。おつりもらえなかった上に盗人扱いとは…。そうかと思えば、洋服屋で服についている盗難防止装置を会計時に取り忘れたのに、出口で鳴らずに帰宅後に気づいて後日店に出向くことになった…ということが2回ありました。2回ともパリのレアールのH&Mでした。要注意です。
場所にもよるし、きれいなトイレも増えてきてはいるのかもしれませんが、全体的にトイレが汚いフランス。フランス人て用の足し方を知らないの?とちょっと心配になるレベル。ある程度の層が集まっているはずのオフィスのトイレでもけっこう汚かったりするらしいので社会的な階層とかそういう問題でもないみたいです。これは学校の掃除を生徒がやらないのと関係があるのかな、なんて思っているのですが、でもみんな自宅のトイレは掃除するわけだし…。こう言ってはあれなんだけど、ヨーロッパの中で貧しいとされているルーマニアだってトイレはフランスよりきれいな印象でしたよ。
余談ですが、フランス人、手を洗わない人もけっこう見かけます。トイレで美女が洗面台前をすまし顔で通過して出ていったりすると軽くショックを受けます。
8. 誤作動の多い自動販売機
自販機自体が駅やオフィスなど限られた場所にしかないのであまり使うこともないのですが、厄介な代物です。「あたり付自動販売機」ならぬ「はずれ付自動販売機」なのです。品物は出てこないわお金は戻らないわということが頻繁に起きるからです。ごくまれに、「はずれ」になってしまった人の後だったのか、なぜか2品出てくる場合もあったりします。
9. 小包の不達率の高さ
今まで小包のトラブルに何回あったことだろう…。特に日本から送ってもらう時は本当に警戒が必要です。郵便受けに不在票が入らないから届いていたことも知らずに差出人へ返送されたり、紛失したり、届いたのはいいものの本来課税されないはずのものが課税されていたり。日本から何か送るときは、EMSなど追跡できる方法のほうが確実です(でも高いんですよね…)。不在票が入らない場合があるので、来るはずのものが来ない場合は最寄りの郵便局に問い合わせると郵便局に保管されている場合があります。
10. 冬のパリ
寒いのは慣れたとしても、常にどんよりしているのはいつまでたっても慣れません。ごくまれに雪が降りますが、基本的にはただ灰色。冬のフランスでは朝8時くらいでも暗いので、暗い中出勤してオフィスで仕事、社食でランチして夜空の下帰宅という、陽に当たらない一日というのが普通に実現できてしまうわけです。久しぶりに冬に一時帰国したとき、日本は1月の朝も明るいということを忘れていたので朝から青空が広がっていて感動しました。
イメージはいいのですが暮らしてみるとけっこうめんどうなことも多いフランス。なので、敢えて良いことではなく悪いことを挙げてみました。住んでみる前に、「いやなこと」を調べて自分に耐えられるレベルかどうかチェックしてみるのも無駄にカルチャーショックを受けないための対策になりますよ!