
マッターホルンを眺めながら滑る特別な体験。でも、3800mって?
ツェルマット Zermatt といえば、山岳界のトップモデル「マッターホルン」の神々しい絶景を眺めながら楽しめるスキー。そして魅力はもう一つ。標高3800mという富士山よりも高い標高のグレッシャーパラダイスで氷河の上を滑走という特別な体験である。
行く前から興味津々だったけれど、気になる点もあった。
3800mって、そんな高さまで素人が一気に上がって大丈夫なの?しかもそこでスキーって…?高山病とかさ。
日本にはない標高なので不安になる日本人は私だけではないはず。
結論を言うとツェルマットの標高3800mでのスキーは若干ふらつきや疲れは感じたものの、対策しておけば十分楽しめる特別な体験だった。ただし、高地に慣れていない場合は無理せず途中で様子を見ながら進む(または下りる)ことも大切だと思う。
そこで今回は実際に滑ってみた体験をもとに感じたことと、無理なく楽しむためのポイントをまとめてみよう。
標高3800mへの不安
だいたいいつもスキー場まで行く途中の道で既にあくびが出始める。ハイキングや自転車でも2000mくらいまで上ると呼吸が上がり始める。
そういえば昔、夜にスキー場に着き、翌朝いきなり2700mまで上って少し気持ち悪くなったことも。
そしてこれまで行った一番高い山はおそらくアルプ・デュエズの3300mのPic Blancの展望台。
だから、この冬はあちこちの雪山に出没したとはいえ、標高3800mなどという未知の世界に一気に上ることに密かに警戒していた。
- アルプ・デュエズ(フランス)についてはこちらの記事 →【フランス】アルプ・デュエズ (Alpe d’Huez)でスキーをしたよ
ゆっくり慣らしてみよう
この前日(スキー初日)は、3100mのロートホルン(Rothorn)で滑って身体を少し慣らしておき、2日目に3800mの マッターホルン・グレッシャーパラダイス (Matterhorn Glacier Paradise) エリアへ上った。
当日はゴンドラでぐんぐん高度が上がっていく間、ゆっくり深呼吸をしたり水をちょこちょこと飲んだりしておく。
あそこにいるキッズだって涼しい顔してるんだから大丈夫…と、へんな励ましかたで自分を励ましつつ…。
私たちは一気に上まで行ったけれど、途中の乗り換え地点で少し様子を見てから少しずつ上がっていくという手もある。
到着直後の身体の様子
上に着いたら、やはり頭が少しふらつく感覚はあった。私より体力もスキー経験も豊富な夫も「ふらふらする」とのこと。はるばるパリからやって来た友人の「スキーのすごい人」C君はというと…何も言ってなかったし余裕そうだったけど、実際どうだったんだろう???
ここですぐに滑り始めず、ゆっくり深呼吸して水を飲みながら展望台を訪問。さらにお手洗いやお土産ショップに寄って体調を観察しつつ、慣れるまで時間稼ぎ。
展望台からはマッターホルンがすごい迫力で見えるので、ぜひ寄っておこう。お手洗いは2フランの有料。それにしてもよくここにショップ&レストラン建てたね…。
この日はこの冬あちこちの雪山に出没していた上での今シーズンのスキー最終日だったこともあり、身体が少し慣れていた可能性もある。そのため同じ状況でも人によって感じ方、症状の出方は変わるかもしれない。そして、同じ私でもシーズン初めなど、状況によって症状の出方が変わるかもしれない。
滑り始めは簡単なコースをゆっくりと
体調的にはスキーで下りれそう。まずは無理をせず簡単な青コースからゆっくり滑り始める。これは山好きスイス人からの事前アドバイス。
氷河も通るこのエリアは大部分が赤コースとなっている。とはいえ、氷河は雪で完全に覆われて圧雪されているため、氷河の実感が全くないだだっ広い雪原ゲレンデ。どこが氷河の上なのかよくわからなかった笑。でも見た目からして氷河感が強い場所は諸事情によりコースに入れていないものと思われる。
足元に隠れている氷河よりも、広さや薄い空気感が印象的なエリアと言える。
技術的にもそれほど難しくない。見た目は青コース。ただし、この標高のため体力的な負荷を考えて赤コースとして設定されているのだろう。それから、この広さゆえにホワイトアウトなどの天候事情や雪質など、条件によっては一気に難しくなるのかも。
※コースの色は簡単な順に、青→赤→黒。
下山(帰宅)後に出た疲労感
この日は、3800mから下りた後も楽しく滑って、翌日は夫とC君を残して私だけ一足先に帰宅した。夫とC君のスキーはここからが本番??
帰宅後から翌朝にかけてかなりの疲労感におそわれ、朝なかなか起きれない。やっと起きた後も終日だらだら過ごすという事態に…。
単にたくさん滑った疲れもあるけれど、それでもいつもよりつらい。後日帰宅した夫も同様だったところを見ると標高の影響もありそう。
スケジュールは、少しゆるやかに
「3800mの山を登山します」という企画なら、初めからそれなりに準備、対策して気合いを入れて挑む人が多いと思う。
でもツェルマットのこのエリアのように素人でもカジュアルに到達できてしまう高山では高山であることをつい忘れてしまいがち。
たしかに登山ほど長時間とどまるわけではないので、その点では心配は少な目ともいえる。
とはいえ、高山は高山。上るときも一応要注意だし、下山後にどっと疲れが出る可能性もある。この後長距離移動や帰国フライトなどがある人などは、下山後のスケジュールもゆるめにしておいたほうが心身ともに安心して過ごせる気がする。
向いている人、注意が必要な人
おすすめな人
- 富士山超えの標高でのスキーを体験してみたい人
- 体力にある程度自信がある人(体力あってもいちおう要注意)
- 無理せず自分のペースで楽しめる人
少し注意が必要な人
- 高山に不安がある人。
- 体調を崩しやすい人
- 短時間で効率よくスキーをしたい人
たとえば、日本でスキーができる最高地点は2300m(志賀高原横手山)。フランスで3000m台前半。3800mのここは、ヨーロッパで一般的なスキーヤーが滑れる最高地点というかなり特別な環境である。
諸々注意しながら無理なく楽しめば忘れられない体験になるだろう。



















