ワインの国在住20年でお酒が飲めない件

美食とワインの国フランス。

地方を旅すれば、その土地のワインがある。しかも味も毎年違う。料理にはそれに合うワインがある。

ショップに行けば、「だれか制覇する人いるの?」と思うくらいの多様なワインのオンパレード。

そんな国に住んで20年。

私はアルコールがほとんど飲めない。なかなかの配役…。

フランス料理は大好き。でも私のグラスには水

フランスでは料理とワインを合わせて楽しむのが日常の食文化。

「この魚には白」とか「この肉料理には赤」とか、「この料理にはどれが合いますか?」…なんだか、みんな楽しそう…。

一方、私は「お水でお願いします」。ちょっと気合いが入ってる日は、工夫を施して「ガス入り」というバージョンになる。

水もおいしいけどね。スイスの水なんてすごくおいしいわ。

でも、そういう問題ではない。

さすがに「今日のこの魚料理ならエヴィアンが !!」なんて、そういう感じにはならない(←実はそういう感じになって良いのかもしれないけど)。

でも、飲めなくても飲めないなりにやってみたいのである。

料理一口…飲み物一口…「うわぁ、おいしい」って言うやつ。

欲しいのはジュースではなくて、食事に合う一杯

アルコールを飲まない人は何を飲むのか?

水、ジュース、ソフトドリンク。

でも、食前の一杯ならともかく、料理にジュースを合わせたいわけではない。

食後に出てきたチーズに「よし、オレンジジュースを合わせてみよう」なんて…ねぇ。

欲しいのは、甘いジュースではなくて、酸味や香りや苦みなど厚みがあって、料理を一口食べて、一口飲んでまた料理が食べたくなる飲み物。つまり食事のための一杯なのである。

ワインは飲めない。でもペアリングは面白い

コロナ禍の少し前にコラヴァンを購入した。

ボトルを開けずに、ワインをほんの少しだけ取り出せる道具である。これなら私でも家で少量ずつワインを楽しめる。

そこで改めて、料理と飲み物を合わせる面白さに気づいた。

同じワインなのに料理によって違って感じたり、飲み物を変えたら料理まで違って感じたりする。

なるほど…。みんなが長年楽しそうにやっていたのは、これか。ようやく片足だけ仲間に入れた。

ノンアルコールワインに出会う

ある日、サヴォワの家に知人のマダムが車でやって来た(サヴォワの家には車でないと行けない)。

もともとお酒を飲む人だけれど、今日は運転するから飲めない。

私は運転していないけれど飲めない。

彼女が「今日はこれを持って来たわ。けっこうおいしいかったから」と差し出したのが一本のノンアルコールワイン。

飲んでみたら、意外と「ぶどうジュース」ではないしっかりした味わい。これは悪くない。

そこから私のノンアルコールワイン研究が始まった。

いくつか試してみたら、当然ぶどうジュースっぽいものにも出会った。でも探していくと、「これはけっこう食事に合いそう」と思えるものもある。

レストランでは、ワインではなくノンアルコールの発酵飲料を料理に合わせる「ノンアルコール・ペアリング」にも出会い、体験してみた。

だんだん研究が面白くなってきた。

ところで、何でアルコールじゃないといけないんだ?

そうこうしている間に、ふと思った。そもそも料理に合わせる飲み物は、何でアルコールじゃないといけないんだろう?

もちろん濃厚な赤ワインが似合う肉料理には赤ワインを添えれば良いけれど、料理によってはノンアルコールの軽さが合う場合だってあるはず。「アルコールを飲む人」と「ノンアルの人」に分ける必要すらなくて、料理ごとに、いちばんおいしい飲み物を選んでも良いんじゃないの?

というわけで、「ノンアル&ガストロノミー」始めるよ。

そんなことを考えながら、スイスとフランスを中心に「料理と一緒に飲みたいノンアル」を探してみることにした。

デザルコリゼワイン、発酵飲料、レストランのノンアルコール・ペアリング、大人のノンアル専門店、そして時々製法なども調べて深みにはまってみたい。

「ノンアルにしてはおいしい」ではない。それだとノンアルにも作り手にも失礼だからね。「ぜひこれを飲みたい」と思えるノンアル。

アルコールを飲めない人、「今日は飲まない」人、飲むのをやめた人、そして飲めるけれど敢えてノンアルの世界も楽しみたい人…。

そんな皆さんへ向けて、フランスで長い間「お水でお願いします」と言ってきた私が、いまさらながら、スイスやフランスを中心に探してみるよ。

水以外を…。