Suisse_voiture

スイスへの引越しの際、我が家の荷物には車もあった。ただ、本引越しの時点ではスイスの滞在許可証が発行されていなかったため、引越荷物として申告すると課税の可能性があった。そこで、(家財よりは)高額な車だけ後で引越し手続きをすることにした。

さらにフリブールに到着直後、フランスからエアバッグのリコールの通知が届くという想定外の事態に。

「運転を即刻中止すること」などと怖いことが書いてある。まぁ、自動車メーカーの免責用の文言ですね。「うちは、ちゃんと言いましたから」という…。

え?よりにもよって今?フランスナンバーの車でもスイスで対応してもらえるの?「運転を即刻中止」したらフランスまで行けないしどうしよう?リコール対象の車でスイスの車検に通らないのでは?

引越し早々ちょっとした騒動に。

ちなみにこのリコール(世界的に有名なあの件です)、当時フランス南部(リヨン)では対象だったけれど、スイスでは対象外だったため、スイス側でも若干混乱。結局、スイスで対応してもらえることになり、先にそちらを完了。

そんなこんなで引越し関連の公的手続きで最後になったのがこの車の登録。需要は少ないと思うけれど、もしかしたらスイスに引越す日仏家庭の人が見るかもしれないので、流れをまとめておこう。

今回はフリブール州での内容。他の州でも大きな流れは似ているはずだけれど、細部が異なるかもしれないので各州での方法も要チェック。

全体の流れ

  1. 通関(スイス税関&フランス税関)
  2. スイス自動車保険へ仮加入
  3. OCN(Office de la Circulation et de la Navigation)に書類送付
  4. 車検 (Contrôle Technique)
  5. 登録証(permis de circulation)とナンバープレートの受取り
  6. スイス自動車保険本契約&フランスの保険解約

ステップ1 : 通関手続き

エアバッグ交換後、フランスへの一時帰国からの帰りにジュネーブの国境(Bardonnex)で手続き。建物の中にはスイスとフランスの税関が向かい合って並んでいる。まずはスイス側から。

必要書類

  • 書式18.44 (Demande/déclaration d’admission en franchise d’effets de déménagement)
  • フランスのカルトグリーズ(Certificat d’immatriculation)
  • 本人確認書類
  • 車両購入の証明書類(領収証など)
  • スイス居住であることの証明(滞在(労働)許可、住居の契約書、市発行の居住証明書、労働契約書など、念のため色々持参)

→ 今回は車だけ後で引越しているので、書式18.44は、Importation partielle のほうにチェックを入れておく。

ここで、

  • 税関のサイン済18.44
  • 書式13.20A (Rapport d’expertise。黄色い書類) *手続き要領では、13.20″B” と見た気がするけれど、もらったものは”A” かつ、以後の手続き上も問題無し

を受け取り、手数料20フランを払って終了。

車本体も見られるのかなと思って構えていたけれど、実際には書類チェックだけで車本体は見られずあっけなく終了(なお、車両も見られる場合もある模様)。

この後向かいのフランスの税関で、引越し書類とカルトグリーズを提示して、引越し荷物としてスイスへ輸出したことを申告し、フランスのカルトグリーズを無効にしてもらう。

フランスの自動車保険はスイス側の車両登録手続きが完了するまで解約不可。

ステップ2: スイス側の登録手続き

1. 自動車保険に仮加入

スイスのカルトグリーズには保険会社名が表示され、車両登録に保険が必須なので、事前に保険会社を決めておく必要がある。

税関でもらった書式13.20Aを保険会社に提出すると、保険証明がOCNにオンライン送信される。

この時点では保険は仮契約で問題無し。

2. OCNへ申請書類を送付。

フリブールの場合は、書類はメール送付で受け付けてもらえる。

OCNというのは、日本でいう陸運局と免許センターが合体したような場所で、車、免許絡みの各種手続きはここで行う。

必要書類

  • 車両登録番号申請書
  • 税関でサイン・押印済の書式18.44
  • 書式13.20A
  • フランスのカルトグリーズ
  • スイスの滞在許可証と住居証明(住民登録が完了したときに市町村から発行される証明書)
  • 保険の証明書はオンラインで直送されているけれど、OCNのサイトから確認できるので念のためスクショをメール本文に貼り付けて送付

2~3日待ってれば何か返事来るのかな…と思っていたら、

まさかの数時間後に電話が !!

「明日車検できますが、どうしますか?」

……え?明日?

さすがに準備が追い付かず、別の日にしてもらった。

あ、でももう少し先の「別の日」だと保険の証明書の期限を数日過ぎそうだな…そんなときは保険会社に証明書を延長してもらおう。

ステップ3: 車検の準備

スイスの車検がけっこう厳しいと聞いていたので、少しだけ準備。

  • 外装・内装の清掃
  • エンジンルームも軽く掃除

夫の実家の庭でエンジンルームを拭いていたら義母に「え?何でいきなりそんなところを拭いてるの?」と不思議そうな顔をされた。

ただ、保険会社の人いわくそこまで神経質になる必要はないとのこと(実際、農業従事者なども多く冬は雪もおなじみのスイス、そんなに皆が常に車をピカピカに保てるわけではない)。普通にきれいにしておけば大丈夫な様子。

ただし安全性にかかわる部分はしっかり見られるので、いちおう先にエアバッグは対応しておいてよかった。

ステップ4 : 車検

ここからは夫からの報告。念のため、先日送った書類の原本と、車関係の書類一式(フランスの直近の車検の資料やエアバッグの交換証明等)を持参させた。

車検は(登録時だけでなく通常の車検も)OCNで行われる。

OCN (Office de la circulation et de la navigation du Canton de Fribourg)
Route de Tavel 10 - 1700 Fribourg

予約の日に行くと、担当者と握手で始まり、「今から一緒に見ていきましょう。ちょっと手伝ってくださいね」。

立ち合い方式で車検が進む。

エンジンルームももちろん見られるので、見られても良い程度にはきれいにしておいて正解。

こうして無事車検完了で次のステップへ。

ステップ5: 登録完了

指定の場所へ行くとその場で

  • 登録証(Permis de circulation)
  • ナンバープレート

がもらえる。

登録番号の最初の2文字はカントン(州)の略。フリブール州は FR。

登録費用は、車検+登録証+プレートで合計275フランだった。

ステップ6: 保険本契約&フランス側の保険解約

スイスのナンバーが取得出来たら、

  • スイスの自動車保険の本契約
  • フランスの保険を解約

それぞれ登録証のコピーを保険会社に送付する。

これで完了!!

おまけ情報 : スイスの車事情いろいろ

車両登録関係でおもしろいな、と思ったことをご紹介。

1. 登録証に保険会社名が記載される

保険会社を変えるだけでOCNでの手続きも必要なので、自動車保険選びは慎重に。

2. ナンバープレートは取り外し式

ナンバーは「車両」ではなく「人」に紐づく。よって、2台まで共有して入れ替えて使える。ただし同時使用はだめです。

さらに自動車保険料が未払いだと、ナンバープレート没収というわかりやすい措置が待っているらしい(保険会社談)。

まとめ

手続きは多いけれど、一つ一つは割とスムーズ。こういう所で、スイスはフランスより日本に近い感覚を覚えることも。

ところで、スイス免許証への切替手続きは済んでいますか?まだの方はこちら→【スイス】フリブールでスイス運転免許に切替え手続き