スイスには壮大なアルプスのマウンテンバイクコースが数多くある。ハイキングのイメージが強いけれど、マウンテンバイクでの散策も楽しい。
そんな中で今回訪れたのはフリブールとベルンとの間、ベルン州の Oberried にある Swiss Bike Park。
バイクパークと言っても、よく山にある、MTBのすごいライダーがすごい勢いで下りてきそうなバイクパークではない。ここでは色々なタイプの短いコースが用意されていて練習ができる。MTBだけでなく、BMXなども練習できる。
フリブールから在来線で20分(自転車は追加料金で乗車可。自転車OKの車両がある)、最寄り駅 Thörishaus-Dorf から自転車で約15分(帰りは下り坂だから5~6分)。お手軽に行けるので試しに行ってみた。
初めて行ったとき、印象に残ったのはコースやジャンプ台だけではなかった。
「この施設ってスイスが凝縮されてない?」そんな印象。
特に自転車に興味が無い人にも「スイスらしさ」という観点でこの施設をご紹介したい。
入場無料だけど施設は本格的
まず驚いたのがこれだけ充実した広い施設が無料で利用できること。
パンプトラック、ドロップオフ、巨大エアバッグを敷いたジャンプ台のほか、ヘアピンカーブや障害物など実際に山にありそうな場所を再現した各レベルのテクニカルセクション、初心者向けエリア…。

回転しながらトリックを決めたりするライダーや、カンガルーか?ってくらいジャンプラインをぴょんぴょん飛び跳ねながら進んだりするライダー。一方で最近自転車に乗れるようになったようなちびっ子。それぞれが自分のレベルに合わせて練習している。中には、目が釘付けになるレベルの子供もいておもしろい。
そして休憩スペースにカフェ。プロショップもある。カフェでは、なんと普通のコーヒーはセルフサービスで無料。

この手の施設って、普通は会員制とか、少なくとも有料じゃないの?物価が高いわりにこういう所は妙に太っ腹なのがスイスっぽい。
一応寄付を受け付けている。また寄付を兼ねた有料会員もある(利用できる日が増える)。
たしかに立派すぎて無料で利用するのが恐縮なレベルなので、寄付したくなる雰囲気はあるわね。
安全に練習できる場所
「安全に練習する」…当然と言えば当然なのに、意外と誰でもアクセス出来て安全に練習できる本格的練習場が少ないMTB。
だいたい、ガチな人向けか子供向けになってしまうのよね…。
初心者も上級者もそれぞれのレベルで課題はある。でも、難しいことを初めて試すのは本来は山の中ではないはずなので、こういう施設は本当にありがたい。自分のレベルや苦手な場所が把握できるのもうれしい。
カップルも家族連れも…
施設を見渡すとファミリーも多い。そして、カップルも。女性のMTB人口は全体的に少なめだけれど、スイスではかなりよく見かける。
ここでも、大人も子どももみんなが自転車を安全に楽しむために練習する場所という落ち着いた雰囲気があった。
もれなく牛眺望
スイスで忘れてはいけないのが、牛。
華やかにトリックを決めるライダーの先には、草原でのんびり草を食べる牛の群れが !!
このどこでも牛に見守られている感じがスイスなのよね。
この施設を作ったのは自転車メーカーの創業者
この施設を発案したのは、スイスの自転車メーカー「Thömus」の創業者でこの地方出身のトーマス・ビンゲリ氏。
構想から完成まで10年以上かけたこのバイクパークを「子どもから高齢者まで、初心者からトップ選手まで利用できる社会的プロジェクト」と位置付けている。
成功した経営者が、自分の業界と地域社会に実用的な施設で還元するという点にも、いかにもスイスを感じる。
ちなみに同メーカーの自転車をここでレンタルして試乗することもできる。マウンテンバイクなんてお店の前の駐車場で試乗しても大してよくわからないもんね…。
スイスの良さを凝縮した場所
こうして見ると、
- みんなが安全に利用できる公共施設への投資
- 子供も大人もアウトドアを楽しむ文化
- 地域社会への還元を大切にする企業
- 牛
など、スイスで暮らしていて感じる長所が詰まっている。
もちろん、ここはMTBなどを楽しむ場所だけれど、スイスらしさを感じる、色々参考になる点も多そうな施設でもある。
MTB絡みでスイスを訪れる人は、ここに立ち寄るのもおすすめ。
また、フリブールやベルン周辺に住んでいて「MTBを始めてみたい」「もっと上達したい」という人にとっても、恵まれた環境だと思う。
Swiss Bike Parkは、単なる練習場ではなく、スイスらしさをぎゅっと凝縮したような場所だった。
Swiss Bike Park
Oberriedgässli 6, 3145 Niederscherli
https://www.swissbikepark.ch/












