前回はヴェルドン渓谷(Gorges du Verdon)を下から見上げて楽しみましたが、やはり渓谷は上からも眺めてみたいものです。

このヴェルドン渓谷はフランスいえヨーロッパを代表する渓谷で、世界の渓谷ランキングでも上位の常連ですので見逃せません。

ということで今日の足は車です。

ヴェルドン渓谷ってどうやってできたの?

ちょっとだけ理科のお話。気になったから調べてみたんだけど、日本語で書かれたものがネット上ですぐに見つからなかったので、私が書くことにするね!でも素人だし、そういう専門のサイトではないので、2億年以上の話を数行にまとめるとだいたいこんな感じ↓。

三畳紀(2億1千万年前くらい)に、プロヴァンス地方は地盤が崩れ海に覆われます。こうしてジュラ紀までの間に海中にいろいろなもの(魚の骨とか)が堆積していきます。さらに気候が温暖だったのでサンゴが生息し、石灰分がたまっていきます。白亜紀には地殻変動で海が引いていき、海底にできた石灰質の地層が露出します。

第三紀(6500万年前くらい)には、地殻変動で断層やしゅう曲などが起き、アルプスが形成されます。海もさらに今の地中海の位置まで引いていきます。この過程でヴェルドン川ができ、谷の浸食が始まります。

やがて氷河期が来るとヴェルドン川は氷河となり、ますます浸食が進んで今のような深い渓谷の姿になりました。

そして、今も100年で4-5cmほど浸食し続けているらしい…。

ヴェルドン渓谷の眺めを楽しむドライブコース

県道 D23で、La route des Crêtesとも呼ばれる環状のコースを行きます。まずはサント・クロワ湖東側10㎞弱のところにあるLa Palud sur Verdon (ラ・パリュ・シュル・ヴェルドン) という村を目指します。湖から行く場合、村の反対側(東側)のはずれ付近にこのD23の入口があります(手前の方が出口)。下の地図で、La Palud sur Verdonの下のところに見える、少し細い環状の道路です。拡大した方が分かりやすいかも。

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Route des Crêtes 43.779473, 6.355247 Route des crêtes

24㎞ほどの一方通行で時計回りに回るコースなので、標識を確認して入口を間違えないよう要注意。24㎞といえども、展望ポイントで止まっていろいろ眺めたりしているうちにあっという間に時間がたってしまうので、時間には余裕を見ておきましょう。

道の様子は…一方通行だし道自体は日本の国道(酷道)265号線(←この話はまたいつか書くね)とかよりはずっと良いんだけど、崖っぷちなのでけっこうスリルが味わえます。運転は慎重にね!誤ってあらぬ方向に滑ったりしたら大変だからね。日本にも「落ちたら死ぬ!」とか怖いことが書いてある道路があるそうですが、そういう感じ。

まあ、こんなところで怖がらせてもしょうがないので、足元だけではなくちょっと遠くに視線をずらしてみましょう(でも足元にもやっぱり気をつけてね)。

ほら、目の前には迫力の数億年がかりの天然芸術の絶景が!

ちなみに一部の展望ポイントを除いて冬はこの道路は閉鎖されるとのことです。

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