今回のマラムレシュ (Maramures) 周遊のメインイベントのひとつが、ヴィシェウ・デ・スス (Vişeu de Sus)  という町からモカニツァ (Mocăniţa) 森林鉄道と呼ばれる、この蒸気機関車に乗ることでした。というわけで撮り鉄のようにSLの写真とか撮ってみました。

木造教会見学と田園ドライブもいいけれど、日本で言うと古都の寺社仏閣めぐり、フランスで言うとロワール川の古城めぐりみたいなもので、毎日同じ調子よりメリハリをつけたスケジュールのほうがマンネリ化しないし、車で連日移動し続けるのも疲れるので、気分転換を兼ねた企画でもありました。

この森林鉄道はもともと、山から材木を運搬するために1930年代初頭に敷設されたものです。ルーマニアでは、SLが1980年ごろまで普通に実用されていたのだそうです。東海道新幹線は1964年開通かぁ・・・とかそういうことはあまり考えないようにね!

SLは朝9時に出発するので、当日の朝早起きして急いで行くよりは駅のそばで前泊するのが便利でしょう。町なかからこの駅へ行く道がまた舗装されていなくてボコボコです。駅に無料駐車場があります。

SLが出発すると車掌さんが検札に来ますが、この車掌さんは10代のかわいらしい男女各1名。
女子のほうにいたっては、アイドルの「1日車掌」みたいな風情で、世界の男性観光客がやたらと彼女の(または彼女と)写真を撮っていました。撮り鉄のアイドル・・・。
ちなみに男子のほうは、ちびっ子集団の車両を担当していました。こちらは教育テレビのさわやか兄さんのイメージですね。

蒸気機関車は川に沿って山間部を進んでいきます。
SLに給水などの必要があるので、何回か停車して休憩があります。なのでお手洗いはご心配なく・・・。あ、でも山中なので「旧式トイレ」です。
折返し地点のパルティン(Paltin) 駅でランチタイムになります。河原にピクニックコーナーのようなスペースが作られています。先ほどのアイドル車掌とスタッフ数名がホットドッグなどをせっせと作って売ってくれます。材料や機材も運んできているのです。
みんながランチを楽しんだり川で遊んだりしている間に、折返し準備が行われています。

余談ですが、前日山の中をドライブ中に、道端でブルーベリーを大容量で売るロマがいて、そこで買った一番小さいサイズのブルーベリーをお供に持って行きました。いちばん小さいといってもファーストフードのMサイズドリンクくらいの大きさです。大量のブルーベリーと山の景色って、目に良さそうですね。

こうして山と川の景色をバックに牛などが歩いているのを車窓から眺めながら、午後3時過ぎくらいにヴィシェウ・デ・ススに戻ります。車に乗る前に何か飲もうと思って駅の売店に行ったら、またまたさっきの「撮り鉄のアイドル」が飲み物を売ってました。アイドル車掌・・・けっこうハードな仕事なのね。

さて、本日の宿はシゲトゥ・マルマツィエイ (Sighetu Marmaţiei) という町のホテルです。マラムレシュ周遊の最後の夜なのでくつろげるようにと、ペンションではなくこの町では相当な高級ホテルに泊まりましたが、1泊70だか80ユーロ相当です(物価の相場から考えるとフランスで300ユーロくらいのホテルに泊まるイメージでしょうか)。
ホテルに到着後町に散策に出でたところ夕立が起きたので雨宿りがてらカフェでお茶をしたもののやむ気配がなかったので、いそいそとホテルへ戻って併設のレストランで夕食を取ったので、残念ながらあまり町を満喫できませんでした。

 

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