フランスの朝ごはんでイメージしがちなクロワッサン (Croissant)やパン・オ・ショコラ (Pain au chocolat) などの菓子パン。総称してヴィエノワズリ(Viennoiserie) という。

実際のところ、毎朝こうしたものを食べる家庭は、健康面やコスト面からみても少数派なのでは?

どちらかというと、カフェやホテルのあさごはんとか、休日のブランチとかの「お楽しみ朝食」のイメージかな?

Croissant_Petit déjeuner
たったこれだけの朝ごはんでも、パリの街角のカフェで食べるってだけで、なぜかウキウキする。いまだに。

とはいえ、やはりフランスの日常生活に密着した食品であることは間違いない。

コミュニケーションツールとしてのミニ・クロワッサン

これらのパンにはミニサイズ↓も存在する。普通のサイズより小さくて食べやすいので、少しだけ何かを食べたいときに重宝。

Mini croissant
こちらはミニサイズのクロワッサンとパン・オ・ショコラ

が、今日はフランスの社会人生活のコミュニケーションツール(?)としてのミニ・クロワッサンの役割に注目してみよう。

オフィスでは?

パリで損保の仕事をしていたとき、たまに本社で研修があった。

朝、会場の会議室に入ると、何やらパンとコーヒーの芳しい香りが…。見回すと片隅のテーブルが朝食ビュッフェのようになっている。

ミニ・クロワッサンなど数種のパンが並び、コーヒーのポットとオレンジジュースまで!

開始前の待ち時間や休憩時間に、講師やほかの参加者たちと飲食できる模様。

日本の会社で見慣れない光景だったので、初めて見たときはちょっと衝撃だった。

日本の会社では、休暇や出張のお土産が午後4時過ぎ頃に配布されたりはするけど、さすがに朝から会議室でパンをほおばる機会はなかったな。

これ、フランスの会社ではおなじみの光景なのだそう。

たとえば、自分の誕生日の朝はミニ・クロワッサンなどを買って行って同僚にふるまう。ちょっとした内祝いですね。

また、金曜日の朝は交代で誰かがクロワッサンを買ってきて、部署のみんなで食べる習慣がある企業も。

職場ではだいたい小さい紙コップに入ったコーヒーにクロワッサンを無理やり押し込んで浸して食べる人が続出する。

理由は、「クロワッサンはパン・オ・ショコラと違ってパサパサしてるからコーヒーに浸した方が食べやすい」からだそう。

企業や部署の規模にもよるけど、最低週1回くらいはこういう機会があるらしい。

調子に乗って食べているとすぐに太って危険なので要注意です。

プライベートでも?

そのほか私生活でも、たとえば引越しの手伝いに来た友達に、朝の集合時にふるまったりもします。

最近びっくりしたのは、ソルドの初日の朝、某洋服屋のレジ前でも朝ごはんをサービスしていたこと。

洋服屋なのに、いろいろ大丈夫なの?

でも太っ腹ですね。においで人を寄せ付ける作戦?なんか虫とか獣とかをおびき寄せるみたいなイメージ?

まあ、朝のコーヒーとパンの香りって、つい顔がほころびるよね?

お礼、内祝い、単に会話のお供に、多様な用途で気軽に使えるミニ・ヴィエノワズリ。

朝から仲間とごきげんに一日の仕事を始められるツールとして、一定の役割を果たしているんじゃないかな?

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