パリってもうあちこち観光客だらけで街自体がテーマパークと化しているけれど、パリジャンはどういう地区が好きでどういうところに飲みに行ったりするの?・・・と思ったことはないだろうか?
若手パリジャンに評判の良い遊び場所のひとつに13区のビュトーカイユ (Butte aux Cailles) という丘がある。
パリ13区というと中華街のイメージが強いけど、そんな中華街の西側にこの丘があり、「いけてる住宅地」のひとつになっている。
うずらがいるの?
フランス語で「うずら」のことをカイユというので、へえ、「うずらヶ丘」かぁ、昔ここでうずらでも飼育していたのかな、などと勝手に想像したくなるんだけど、別にうずらがいたわけではなく、ブドウ畑が広がっていたこの丘をピエール・カイユ (Pierre Caille) という人が1543年に購入したので、こう呼ばれているらしい。
もともと丘には風車がいくつも立っていたほか小川があったようで、17世紀、18世紀頃は革職人など水を使う職業の人の居住地でした。
この川は各種職人のみんなに便利に使われすぎたためただのドブ川に成り下がってしまい、後に覆われて地下水路となった。
1860年にビュトーカイユはパリ市に併合されます。
現在は、住宅地の中にアーティストのアトリエなどが点在しており、ところどころにストリートアートが見られます。
そして Rue de la Butte aux Cailles, Rue des Cinq Diamants の2本の通りを中心にバーやレストランが並んでいます。
といってもここに飲食店が並ぶようになったのはそんなに古い話ではないので、同じ丘でもモンマルトルの丘のように観光地という感じでもなく、居住空間としてのパリの姿が垣間見られる地区の一つと言える。
遊ぶといっても、緑が多めな素敵な住宅地を散策するほかは、バーでの飲酒というのがここでのメインイベントなので、中華街での食事とビュトーカイユ散策をセットにしてみるのも一案です。