サヴォワ地方では夏になると牛もバカンスに出かける。だいたい6月半ば過ぎ頃かな?

そう、牛の群れがアルプス登山をし、山の中に放牧されるのですよ。

山での放牧というのはわりとあちこちで行われているけれど、アルプスではこれを、アルプスなだけにアルパージュ (Alpage) と呼ぶ。

広々とした山でおいしい空気を吸って新鮮な草をいっぱい食べるとおいしい牛乳がとれるというのが、サヴォワチーズのおいしさの秘訣なのですよ。

さて、この期間中アルパージュを取り仕切っている人々は、牛だけでなく登山客の面倒も見てくれる。

寝床と食事とを提供してもらえるルフュージュ (Refuge) とよばれる形態の宿泊施設を営んでいるのですよ。

ボージュ(Bauges)山塊 Orgeval のルフュージュに泊まってみた

私たちはブールジェ湖の東側、エクス・レ・バンとアルベールヴィルの間にあるボージュ山塊のOrgeval のルフュージュに宿泊したので、そこの話をします。

宿の主によるともじゃもじゃうさぎは初の日本人客だったらしい。

Ecoleという名前の村の近くにあるNant Fourchuの駐車場に車を停めて徒歩で山を上っていきます。

ここからルフュージュまでは1時間半くらい。

後で忘れ物を車にとりに来るような距離ではないので、宿泊とハイキングに必要なものはすべて忘れずに!

牛が夏の初めと終りに往復する道なせいか複雑なところは全く無く、ひたすらまっすぐの上り道。

駐車場が標高 966mでルフュージュが1630m、これを1時間半まっすぐ上るということはけっこう急な山道。上り始めてしばらくはかなりきついです。牛のバカンスも結構スポーツ仕様なのね…。

フランスの夏は日が長いので20時台くらいまでは暗い山道という感じではないのですが、それでもあまり遅く到着しないようにね。

もし遅くなる場合は電話が圏外になる前に必ず連絡しよう。連絡せずに遅れると山の中なだけに余計な心配をかけることになるからね。。

あと、山の中の簡易施設ということをお忘れなく。

建物裏にひっそりとあるトイレはもちろん水洗ではなく、懐中電灯持参ね。シャワーはなく、屋外にある泉(すごく冷たい!)で洗顔とか体を拭くとかそういう身づくろい。寝る場所は、雑魚寝です。毛布とマットレスは貸してもらえる。山で特に夜は寒いので、暖かく眠れる衣類を用意です。だいたいみなさん遅くても10時前には就寝して早朝に出発していく。

スマホを充電とかそういうことも期待せず、予備のバッテリーを用意しておこう。

なんだか不便そう? まあ、「不便でこそ登山」ともいえる。 1日くらいはスマホも使わず不便を楽しみつつ文明に感謝する日があっても良いかな、と。

さて気になるお食事は、一応前菜のサラダ、メイン(サヴォワ風ソーセージとパスタが出た)、手作りケーキのデザート。シンプルながら家庭料理の味でおいしい。朝食もパンにバターにジャムにカフェオレなど。さすが、牛乳がおいしい。

それと、お弁当用にサンドイッチなども用意してもらえます。1泊2食付でひとり30ユーロくらいだったかと思います。お弁当付きでもう少し払ったかも。

そんなわけで、朝食をとりお弁当を持ったところで出発です!

Refuge Chalet d'Orgeval
73630 JARSY
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